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高校で必修のハズなのに、化学関連の雑学は少ない? というわけで、収集&記録していくことにします (・∀・)超不定期更新! 化学以外の分野もあるかも
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クレオパトラは、古代エジプトプトレマイオス朝最後の女王であり、
世界三大美女(他に楊貴妃、小野小町)の一人として有名です。
これだけ情報網が発達した現在でさえ、「世界一の美人」を決めるとしたら
相当な議論の末、結局決まらない…となりそうな物なのに、
生きた時代も国も違う三人をどうやって選出したんでしょうか。

まぁ、それはおいておいて。

このクレオパトラは幾つもの伝説を残しています。
その中で化学に関係ありそうな事といえば、
「ビネガー(酢)に真珠を溶かして飲んだ」でしょう。

カエサルの死後、彼女が接近したアントニウスを歓迎する食事会の席で、
耳飾りにしていた真珠を酢に入れて溶かし、飲んでみせたそうです。
その真珠は一粒で国が4つ買える程の超高級品。
とは言っても、当時1つの国が幾らで買えたのかはわかりませんが。

真珠は炭酸カルシウムとタンパク質の層が交互に重なってできています。
炭酸カルシウムが酸と反応して、二酸化炭素を発生させる事は有名です。
CaCO3 + 2CH3COOH → Ca(CH3COO)2 + H2O + CO2
となるだろうなぁ、という予測はつく訳ですが、
果たしてタンパク質の層が反応の邪魔をしないのか?
食事会のせいぜい2時間位の間に、弱酸である酢に速やかに溶ける物なのか?

そんな疑問を持ち、早速試してみる事にしました。
次回実験結果をご報告します。

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お化け屋敷で演出として使われる人魂(のようなもの)。
そんなのオカルトでしょう、実際にある訳がない!
…と思われがちですが、本当にあったんです。

その正体は、黄リン(P4)。
リンの同素体(構成元素は同じだが性質が異なる)の一つです。

黄リンは、湿った空気中ですぐに酸化されて発熱します。
発火点が50℃と低めなので、自ら発した熱で自然発火。
この時に発する光が、いわゆる燐光と言われるものです。
(黄リンは非常に有毒なので注意。 ニラみたいな臭いもします)

もともと、リンは人体にとって必要不可欠な元素。
体内のエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)や、
遺伝情報を司るDNA、RNAなどにも含まれています。

戦前の日本では土葬が一般的だったので、遺体から放出された黄リンが
雨の日、雨水と反応して光る現象を人魂だと勘違いされたようです。


現在は火葬が普及しているため、人魂は見られない……ハズですが。

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前編でハーバーがアンモニア合成法を確立した話をしました。

第一次世界大戦中、彼の母国ドイツでは硝石の輸入がストップしたため、
ハーバー法で得られたアンモニアから硝酸を作り、火薬の原料としました。
アンモニア、硝酸の工場も建てられ、ハーバーはドイツに大きく貢献した
化学者としてベルリン大学の教授にまでのぼりつめました。
ついでに言うと、ハーバーの両親はユダヤ人です。
出自を問うている余裕はなかったんでしょう。

その第一次世界大戦中、ハーバーは毒ガス研究にも着手します。
実戦で用いたのは塩素ガス。
塩素は空気よりも重いので(空気の平均分子量28.8、塩素71)、
塹壕に潜んでいる敵兵を狙うのに都合が良かったのに加えて
塩素なら食塩の電気分解で得られ、輸入の必要がなかったからです。

この研究に強く反対したハーバー夫人(クララ)は、夫を止めますが
聞き入れられずに、拳銃自殺してしまいました。

大戦後、アンモニア合成法に関してノーベル化学賞を受賞(前述)。
毒ガス研究については何のお咎めもなかったんでしょうか…。

終戦後、ドイツは多額の賠償金を支払う義務を負います。
その一助になれば、とハーバーが目を付けたのが海水に含まれる金。
当時の文献には、海水1t中に5mgの金が含まれている、とありました。
ここから金を抽出し、賠償金に充てる事ができれば…と
愛国心の強かったハーバーは研究を始めます。

しかし、文献値が実際よりも1000倍程多く記されていたらしく、
この試みは失敗に終わってしまいました。
(計測に使った器具に金が使われていたため、多めに検出されたそうな)

そうこうしているうちに、ヒトラーが台頭、政権をとります。
ユダヤ人迫害政策によって、大学教授の職を追われてしまいました。
その上、第一次世界大戦中にハーバーが開発した青酸化合物の毒ガスが、
ユダヤ人の大量虐殺に使用されたという何ともやりきれない話です。

ハーバーその人はドイツを出国し、イギリス、スイスを経てイタリアに
向かう途中、スイスで亡くなりました。

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「環境に配慮した植物性の洗剤〜」というTVCMをやってました。
画面に映っていたのはパーム農場(だと思う)。

アブラヤシから採れる油脂を石けんに加工しているわけですが、
原料が植物だからといって環境に配慮した事にはならないでしょう。

油脂を採るために、
 貴重な熱帯雨林を伐採してヤシ園を拡張している
 農場では学校に通うべき年代の子どもが強制的に働かされている事もある
わけですよ。
使っている人は多分CMだけ見て判断してるのでしょうけれども。

パーム油でなく、他の原料で作ればいいいのか。
とは言っても、残り少ない石油で洗剤を作るのも控えたい。
私は石けんを使っているのですが、洗剤と比べて落ちが悪い。

結局、どれを選んでも一長一短なんだと思います。
ある一つが最高に優れている、というのは難しい。
特に環境問題に関しては。


…植物洗剤の話もいつか授業でやりたいなぁとは思うのですが、
生徒の中で、親がそういう関連の企業に勤めてる子がいたら
嫌な気持ちになるんじゃないかなーと思って躊躇してしまいます。

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アンモニア、と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
あの強烈な臭い、呼吸の際に作られて体外に排出される…など
「あんな臭い、不要な物質を何で勉強するんだ!」と
思う人も多いでしょう。

しかしこのアンモニア(NH3)、窒素を含んでいるため
意外と役に立つ物質なのです。

無機化学で出てくるハーバー・ボッシュ法は化学式で表すと次の通り。
N2 + 3H2 → 2NH3

そのまんまじゃん。
まぁそうなのですが、空気中の窒素を使う事ができる点が革新的でした。
この方法を確立したのがドイツの化学者ハーバーです。

事の起こりは記録的な農作物の不作。
植物は生長の時に窒素を必要としますが、多くの植物は空気中の窒素を
固定して使う事ができないので、肥料として与えなければなりません。
(マメ科の植物は根粒菌を持っていて、窒素を固定させる事ができる)

そこで窒素肥料を作る為にアンモニアや硝酸(HNO3)が必要になります。
当時は第一次世界大戦間近の緊迫した世界情勢。
輸入に頼るしかない硝石(硝酸カリウム (KNO3)が主成分)が
火薬の製造に当てられてしまい、肥料にまで回ってこない中、
彼の考案した空気からのアンモニア合成は大歓迎されるのです。

農作物の危機的状況から脱し、ハーバーは賞賛されます。
第一次世界大戦が終わると、ノーベル化学賞も受賞しました。

この功績をたたえ、彼の墓には

「空気からパンを作った人」

と刻まれているのです。

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