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高校で必修のハズなのに、化学関連の雑学は少ない? というわけで、収集&記録していくことにします (・∀・)超不定期更新! 化学以外の分野もあるかも
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前編でハーバーがアンモニア合成法を確立した話をしました。

第一次世界大戦中、彼の母国ドイツでは硝石の輸入がストップしたため、
ハーバー法で得られたアンモニアから硝酸を作り、火薬の原料としました。
アンモニア、硝酸の工場も建てられ、ハーバーはドイツに大きく貢献した
化学者としてベルリン大学の教授にまでのぼりつめました。
ついでに言うと、ハーバーの両親はユダヤ人です。
出自を問うている余裕はなかったんでしょう。

その第一次世界大戦中、ハーバーは毒ガス研究にも着手します。
実戦で用いたのは塩素ガス。
塩素は空気よりも重いので(空気の平均分子量28.8、塩素71)、
塹壕に潜んでいる敵兵を狙うのに都合が良かったのに加えて
塩素なら食塩の電気分解で得られ、輸入の必要がなかったからです。

この研究に強く反対したハーバー夫人(クララ)は、夫を止めますが
聞き入れられずに、拳銃自殺してしまいました。

大戦後、アンモニア合成法に関してノーベル化学賞を受賞(前述)。
毒ガス研究については何のお咎めもなかったんでしょうか…。

終戦後、ドイツは多額の賠償金を支払う義務を負います。
その一助になれば、とハーバーが目を付けたのが海水に含まれる金。
当時の文献には、海水1t中に5mgの金が含まれている、とありました。
ここから金を抽出し、賠償金に充てる事ができれば…と
愛国心の強かったハーバーは研究を始めます。

しかし、文献値が実際よりも1000倍程多く記されていたらしく、
この試みは失敗に終わってしまいました。
(計測に使った器具に金が使われていたため、多めに検出されたそうな)

そうこうしているうちに、ヒトラーが台頭、政権をとります。
ユダヤ人迫害政策によって、大学教授の職を追われてしまいました。
その上、第一次世界大戦中にハーバーが開発した青酸化合物の毒ガスが、
ユダヤ人の大量虐殺に使用されたという何ともやりきれない話です。

ハーバーその人はドイツを出国し、イギリス、スイスを経てイタリアに
向かう途中、スイスで亡くなりました。

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